大人の生徒さん、Kさんの「ショパン作曲 幻想即興曲」の演奏です。
Kさんは娘さんが私のレッスンに通い始めたことをきっかけに、ご自身も一緒に学ばれています。
そしてKさん、なんとなんと!
これまでピアノを習ったことがないんです。
Kさんから「楽譜も全然読めないし、これまでピアノを習ったことがないけれど、幻想即興曲をレッスンして欲しい」とお話を伺ったとき、正直なところ私は、(ゆっくり弾かれるのかな、譜読みを一緒にしていくのかな?)と思っていました。
しかしレッスン当日Kさんの演奏を聴き、ほんっとうほんっとうににびっくりして衝撃を受けました。
指が問題なくよく動くことはもちろんのこと、音のバランスや、自然な歌心に溢れ、なんて素晴らしいんだろう!と感動しました。
Kさんがこの曲に出会ったのは中学生の頃。
友人が最初の部分だけをちょこっと弾いてくれたとき、「かっこいい!」と思ったことが演奏を始めるきっかけになったそうです。
お母様がエレクトーンの先生で、ご自身はこの曲は弾けないけれど、譜面を読むことはできるため、少しずつ少しずつ教えてもらい、1年くらいで大体最後まで弾けるようになったそうです。
お母様、驚かれただろうなぁ!
「どこか寂し気なこの曲が、当時の自分と重なるものがあった」と振り返るKさん。
この曲に魅かれ、大好きで15年も弾いているうちに、なんとこんな風に弾けるようになってしまったんですね。
Kさんの場合は楽譜が読めないことが功を奏して、耳が鍛えられ、楽譜を追いながらただばしゃばしゃ音を出していくのではなく、楽器から音を紡ぎ出していくことを自然に習得されていったのだと思います。
楽譜が読めないと弾けない。
ピアノをきちんと学ばなければ指も自由に動くわけがない。
なんていう思い込みは、Kさんの演奏を聴いて吹き飛びました(笑)
Kさんを見ていると、ピアノに限らず、本当にやりたい!と思われたことは「無理」と思わずに、実現させていく明るさと力強さがある方だと感じます。
(本当に、心の底からやりたいことは実現していくんだなぁ!)と、希望を与えてもらっています😊
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