今日からレッスンが始まったMさん。
なんとも可愛らしい、という言葉がぴったりの、楽しい女性です。
今日はショパンのワルツ。
アウフタクト(弱起)から入る曲の特徴、重みを乗せて弾く弾き方や、すっと抜く弾き方、閉じる音や開く音の手の使い方などをレッスンしました。
レッスンの途中で、ピアノ弾きはバイオリニストなどのように自分の楽器で演奏できるわけではなく、常に違う楽器で弾かなくてはいけないから大変だという話になったときに、
「楽器とは相性があるのでしょうか」
と尋ねられたので、
「楽器や会場との相性はあると思います」
とお答えしました。
すると、
「楽器も人を選ぶのかしら?」
と。
楽器に選ばれているなんて考えたこともなかったなぁ。。。
Mさん曰く、うちのスタインウェイを弾くと、「まだまだだよ」と言われている気がすると。
ピアノとやっと握手できたかな、と思えた頃にレッスンが終わってしまうそう。
そういえば私はいつもコンサートの前に、両手を広げてピアノを抱きしめていたことを思い出しました。(笑)
初めて出会うこの大きな楽器と戦ってしまったら本当に苦しいことになるので、「どうぞよろしくね」という気持ちを込めて。
ピアノを再開されたMさん。
「難しい!」とおっしゃいながらも、「ピアノってこんなに楽しかったんですね!今までお昼寝していた時間がピアノの練習の時間になりました」と生き生きしていて本当に綺麗。
ピアノはこれで完成、というところがなく、突き詰めれば詰めるほど見えることがあり、キリなく探求できるので飽きてしまうことがないのですね。
そしてこの面白さが本当に味わえるようになるのは、大人になってからかもしれません。