今日はYさんのラフマニノフのレッスン。
なかなか覚えられない~。仕上がらない~~!
とYさん。
それもそのはず。
ラフマニノフは音が多く、手の形に入りにくい音型も多いので、本当に覚えにくいし暗譜も難しいのです。
これがリストだったりすると、華やかで難しそうに見えるのですが、一度手に入ってしまえば手が覚えていて、しばらく弾かずにいても意外とすぐ思い出して弾けるもの。
しかしラフマニノフを何年も放置しておくと、もう完全に最初から譜読み状態になってしまいます・・。
さて、そんなYさんですが、一度弾いてみて頂いたところ、手はもう殆どよく動いていらして、出来上がっています。
でもなぜかちょっと弾きにくそうで、曲のイメージが浮かばない感じ・・・。
そこで、ペダリングを一緒に考えてみました。
フランスで師事していた恩師はよく、
「ピアノは4本の手で弾くんだ」
と言っていました。
つまり、右手、左手、右足(音を伸ばし響かせるペダル)、左足(音を曇らせる弱音ペダル)4つを自由に使え、と。
私がうまく左ペダルを使わないと、まあ本気で地団太を踏んで興奮して怒られたものでした・・・
怖かった・・・汗
ペダルは、クリアに踏みかえすぎず、音の濁りが味になる場面もありますし、すっきりと踏み変えたい場面もあります。
また、小刻みに動かすのか、こまめに踏みかえるのか、ずっと踏みっぱなしにするのかなど、そこで何を表現したいかによって変えていく必要がありますし、会場やピアノによって臨機応変に対応していく必要があります。
どのくらいの深さで踏むか、ということも大事ですね。
下まで踏むのか、3ミリくらい踏むのか、1センチくらい踏むのか、というように。
Yさんとペダルをどう踏むか考えた結果、Yさんの演奏は見違えるように良くなり、情景が思い浮かぶ演奏になりました。
ペダリングって本当に大事なんですね!
ペダリングの難しさは、楽譜に書き込むのに限度があること。
どこでどう踏み、どう離すかは、最後は自分の耳で調整するしかありません。
でも、最後は自分の耳が頼り、という難しさは考える自由があることでもあり、そこが面白いところかもしれませんね。