今回保育園でプロコフィエフの「ピーターと狼」を上演するにあたり、色々なことを思いました。
これだけ面白いアニメや映画、電子音楽が溢れる中で、どうしてわざわざ敢えて生演奏、生のナレーション、紙芝居をする必要があるのか。
家にいてもDVDさえ借りてくれば何でも観られるのに、なんでわざわざ映画館やコンサートに出かけていく必要があるのか。
自分自身は小さい頃から身近にピアノもあり、コンサートを聴きに行くこともよくありましたが、それが当たり前だと思わないで、
「なぜ、自分は生演奏をするのか。なぜ生演奏を聴いてほしいと思うのか」
ということを、演奏する身としてもう一度よく考えることも大事だな、と感じました。
私は家で映画を観たりテレビでコンサートの録画を観ることもよくあるけれど、やっぱり会場に行って観たり聴いたりするのとは、違います。
なんというか、時間を割いて出掛けて行って、非日常の空間に身を置くことで、集中もできるし、感じ取るものも豊かになる気がするのです。
例えばコンサートは、実際にピアニストの手が動くのを近くで見られたり、息遣いを感じられたりするのも楽しみだし、何より違うのは、演奏家と聴き手との間に密なコミュニケーションが生まれることがあること。
逆に言えば、一方的で、コミュニケーションのできない演奏は意味がなくなってしまうのだけれど・・・。
「演奏でコミュニケーションするってどういうことだろう?」
「どうしたらお客さんに楽しんで頂けるのだろう?」
お客様に対してピアノを弾く位置、音楽の構成、緩急や盛り上がり、何を一番伝えたいのか、、など、毎日いろいろ考えているところです。
子供たちに向けてのコンサートをしていきたいなと思ったのは、
まずはピアノやクラシック音楽を楽しんで欲しい!楽しさを知って欲しい!
(だってこんなに素晴らしいんだもの!)
という思いがあるから。
そしてもしかして演奏を聴いたことがきっかけで、子どもたちに新しい興味や広がりを持ってもらうきっかけを作ることができたら、それはとても嬉しいなぁ、と思うからです。
ピアノを間近で聴いたことがあるお子様はもちろんのこと、聴いたことがないお子様にも、ぜひ参加して頂けたら嬉しく思います。