9月に発表会を控え、1回1回のレッスンがとても大事な時期になってきました。
発表会はなぜやるのだろう?
などとあまり真剣に考えたことはありませんでしたが、レッスンをしていく中でいろいろあって、それについて改めて考えるようになりました。
まず私は発表会は、1年半に1回の「がんばりどき」だと思っています。
少し難しくても、それをなんとかがんばってやってしまうことで、普段のレッスンに戻ったときに普段の課題がすごくやりやすくなるんですね。
気づいたときには階段をぽぽんっと数段上っていた、という状況でしょうか。
普段は基本的にはその生徒さんの力に合った楽譜を与えて、できる限り自分ひとりの力で譜読みをして頂いていますが、発表会の曲は少し難しいものにチャレンジするので、譜読みの段階から私の支えも活用してもらって良いと思っています。
譜読みも、なにはともあれ一度難しいものを読むと、普段の課題に戻ったときに非常に楽に感じられるからです。
もう1つの目的は、「曲をできる限り完成度高く仕上げる」ということです。
普段のレッスンに比べ、高い完成度を目指しますので、必然的に数カ月という長い間、同じ曲と向き合うことになります。
そのときに、「飽きてしまう」か、「続けられるか」という分かれ目は、目標の演奏がはっきりしていることと、自分の状態を客観的に見ること、工夫を凝らして作品と積極的にかかわっていけるかどうか、ということだと思います。
ピアノ以外でも、やらなくてはならない課題に飽きてしまうとき、やる気があまり起きないときはあると思うんです。
本当に疲れ切ってしまっているときには休むかやめるしかありませんが、心と体が元気であれば、その物事に自ら積極的に関わり、工夫を凝らしていくことで、段々面白くなってくることがあります。
子供たちにとって、1つの曲を何十時間も何百時間も練習するということは難しいことかもしれません。
でも、発表会で一生懸命がんばったものを弾き切ったときの喜びを、ぜひ生徒の皆さんに味わって頂きたいと思っています。
できないことをできるまで留まって待っていると、なかなかできなくて生徒さんが疲弊してしまう・・ということがあるけれども、できなくてもちょっと先を照らしてあげると、その先の目標に向かいたいという憧れの気持ちが、できないところを克服する力になってくれたりします。
生徒さんのモチベーションをどう保って本番にピークを持っていくのか、いつも反省と模索の連続です。