いよいよ発表会まで1週間を切りました。
これまで何十時間、何百時間と練習してきても、本番はほんの1回。
この1回をどうやって集中するか、というのがとっても難しい・・・。
私自身も今でも集中できたりできなかったり、試行錯誤していますが、それでも私なりに少しずつわかってきたことがあります。
今日はそのお話を少し。
先日、水島弘子さんという方の本を読んでいたら、こんなことが書かれていました。
「実は、『現在』に生きることは、自分に与えられる最高の贈り物。私たちが経験できる最も上質の時間は、『現在』に集中している時間なのです。人生の質は、そのうちのどれだけの時間を『現在』に生きることができるかで決まる、と言ってもよいほどです。』
この言葉、本番の演奏にもぴったり当てはまるように思います。
本番では、「現在に集中すること」こそが大事で、それができたときに、「弾き切った」という喜びが湧いてきます。
それでは、本番で「現在に集中すること」とはどんなことなのか。
それは、「その音楽に乗る」ということだと思います。
つまり、その音楽を自分が心から感じ、味わい、歌い切る、ということだと思うのです。音楽を歌っている間は、余計な考えが浮かぶ暇はありません。
練習の間に、細かいことはもう身についています。
最後は頭であれこれごちゃごちゃ考えるのではなく、思い切ってその音楽に乗って音楽を楽しむこと。
それができたら、演奏者の心は晴れやかに、聴き手にも伝わる、心の開かれた演奏になるのではないでしょうか。