生徒さんを育てているつもりで、実は自分が育てられているな・・と感じられることが
レッスンをしているとよくあります。
最近のAちゃん。
譜読みや指使いに間違いが多いためなかなか音楽的なことに進めず、毎回のレッスンで同じことをアドバイスすることになってしまう・・・という繰り返しでした。
(どうしてこうなってしまうのかな・・・)
と私も少し困っていたときに、Aちゃんから
「音楽の楽しさってなんだろう?とずっと考えている」
ということを、お母様も交えてお話をしているときに、初めて聞きました。
Aちゃんの言葉を聞いて、私ははっとしました。
以前にも、譜読みがぐちゃぐちゃでどうしても見過ごせなかったので、そこばかりをアドバイスすることになってしまい、疲れてしまった生徒さんがいたな・・と。
そのときもやり方を考えて、変えていったのではなかったか、と。
できないところをできるように、ということばかりしていると、子供たちは益々できなくなってしまうことがあるように思います。
やる気さえあればこのくらいの譜読みはできる筈なのに・・・。
と思ってしまうこともありますし、そういう部分はあるにせよ、やる気が出ず、実際に今は譜読みができていない、というのがその生徒さんの現実。
やる気が出ないということは、やはり少し難しいとか、何かしらの理由があるはずです。
やる気がないことを責めてもどうしようもない。
そんなとき、お母様からAちゃんが少しスランプの状態であることをお聞きして、精神的に少し疲れているようであれば他のやり方を考えよう、と、まずは私自身が一歩前に進むことができました。
違うやり方でアプローチしながら、全体としての力をつけていくと、自然とそのできなかった部分も持ち上げられて、いつか少しずつできるようになる。
本来こうだったよな、、と改めて気づかされ、反省をしました。
「音楽を学ぶ楽しさ、表現することの喜びを知ってもらえたら嬉しいな」
という気持ちで始めたピアノレッスン。
ピアノは決して楽な楽器ではないので、楽しい!と思えるまでには、自分自身のことを思い返してみても、時間がかかりますし、楽しいばかりではない、色々な時期があるのが自然です。
ただ、色々な時期があっても、ピアノの面白さを感じていたり、好きだな、という気持ちがあれば、不思議とやめたいとは思わないもの。
今回のことで、やはり時には親御さんと直接お話することでわかることもあるな、と、子供の生徒さんご自身だけではなく、周囲のコミュニケーションの大切さを思いました。
一人でレッスンにおみえになる小学生の生徒さんには、ご希望があればレッスンノートを作って、その日のレッスンの様子を簡単に書いてご両親様にお渡ししています。
ぜひ、そのノートを活用して、もし何か気になることなどがあれば、ご両親様からも気軽に遠慮なく書いて頂けたら嬉しいです。