昨夜何となくテレビをつけると、野球のユニフォームを着てバイオリンを手にするおじさんがいて、遊び弾きのような感じでちょろっとバイオリンを演奏したんです。
20秒も弾いたか弾かないかという短い遊び弾きだったのですが、その身体の内から湧き出てくる、生命力溢れる音楽と、艶のある何とも言えない音・・・・
奏でる音楽の種類が、ハンガリー留学時代の恩師を思い起こさせる、心が躍るもので、思わずその番組を見始めてしまいました。
それもそのはず、しばらく見ていたら、おじさんだと思っていた人はなんとあの世界的に有名なバイオリニスト、イツァーク・パールマンであることが判明(^-^;
それは素晴らしいわけだわ。。
それにしても、ほんの数秒弾いただけでも虜になってしまうようなバイオリンを弾くのだから本当にすごい。たまげる。
パールマンは、クラシックだけでなく様々な分野の演奏家と柔軟にコラボレーションしていたりして、音楽は神経質でなく、自由で愛に溢れていました。
教えることにも力を入れている人で、ああ、こんな素晴らしい人でもこんな風に垣根を作らずに音楽を愛しているのだなぁ!と、憧れました。
さて、昨日の大人の方のレッスン。
ペダルをどう踏んだら良いかという話題になりました。
フランス留学時代に師事していた恩師はよく、「ピアノは4本の手で弾け」と言っていました。
つまり、右手、左手だけでなく、右足、左足も自由に使え、と。
右のペダルは、音を伸びやかに伸ばすペダルですが、左のペダルは音をこもらせたいときに使います。
昔の先生は、左ペダルに頼らず手で音を作りなさい、とよく言っていましたが、手で音を作ることはもちろん、さらに自由に左ペダルを使って音色を作っていけば良いのだと思います。
それから、ペダルを踏む深さ。
ペダルは、踏んで離すだけではありません。
細かく震わせるように踏み替えたりもしますし、踏むといっても、奥まで踏むのか、上から数ミリ踏むのかで響きも変わってきます。
そのようなわけで、実際にはペダルを正確に楽譜に書き込むことには限界があります。
ではどうするか。
踏み替えるタイミング、深さなど、ペダルをどう使うかというのは、耳が判断することなんですね。
会場やピアノが変わればペダルも変わる。
とても難しいことではありますが、耳が頼りなんです。
耳をよく使って、ペダリングも自由に考えたいですね!
最後に、パールマンの演奏を。「シンドラーのリスト」のテーマ曲です。