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心に沁み入る歌


今度、母の作曲したオペラ「真昼の夜想曲」を歌って下さる松本美和子先生。世界の主要オペラ劇場で歌われてきた、素晴らしい歌手です。

以下は先日の母のフェイスブックの投稿。

松本先生曰く、

「私、朝5時まで脚本コピーして楽譜に切り貼りして、楽譜一冊で全てが分かるようにしたわ😃スッキリと頭に入った!ベッドで寝てないのよ」と。 お若くて美しいだけでなく、凄いエネルギー、熱心さ。 真にビッグな人の持つオーラを発し、品があって、気さくで率直! 歌の意味を表現する素晴らしい歌唱に心を掴まれます❤️

母は今日も稽古で松本先生の歌を聴いていて、胸に迫るものがあり、思わず涙が出そうになってしまったのだそう。

松本先生が歌われると、それは「歌曲」ではなく、そこにその音楽が現れるのだと。

一体、心にぐっと伝わってきてしまう音楽というのは何なんだろう?と、最近私もあるコンサート聴きに行ったことがきっかけで考えています。

ピアノは、右手、左手、ペダル、とやることが色々あり、ともすると「ピアノを上手く弾くこと」に一生懸命になりがちな楽器です。

でも、表現したいのはその音楽。

以前ハンガリーに留学していたときに師事していたフェレンツ・ラドシュというピアニストは、アンドラーシュ・シフの先生でもある厳しい方でしたが、レッスンに行くといつも、ピアノだけでなく、弦楽器など他の楽器の生徒さんもいらしていました。

彼は、ピアノを教えていたのではなく、音楽を教えていたのですね。

音楽を理解し、掴み、表現する力を才能というのかも知れません。

私も10月に「くるみ割り人形」のコンサートがあります。

お客様は小学生とそのご父兄など600人以上。

聴いて下さる多くの方に、私も何かを届けたい。少しでも、その音楽に近づきたい。

そう考えるとき、いつも私の心の中に思い浮かぶのが、ハンガリーやフランスで師事していた恩師たちの演奏です。

彼らのような演奏までの道のりの遠さに愕然とすることもあるけれど、それよりは、恩師たちのような音楽の世界があることを知っている、ということは、私の中では希望に繋がっていくように感じています。


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