
15年ぶりかな?私がフランスにいたとき師事していた恩師、フセイン・セルメット氏が来日されます!
どうしてもセルメット氏のレッスンが受けたくて、どうやって連絡先を知ったのか忘れましたが、ドキドキしながら「レッスンを受けたい」と先生に電話したことを覚えています。
無事先生のレッスンを受けられることになり、当時先生はフランスにいらしたので、私はハンガリーからフランスに移動。
レッスンはいつも、河に浮かぶ家で行われました。
約1時間の予定のレッスンは、いつも毎回2時間半くらいに・・・。
毎回あまりにも密度が濃く、レッスンが終わる頃にはへろへろのふらふらになるので、レッスンに行く前は必ず巨大なおにぎりを食べるのが習慣で、当時一緒に住んでいたKちゃんによく笑われました^^💦
今思い出してもフランス留学時代は本当にお金がなくて、毎日同じような服を着て、近所のスーパーで週に1回だけ買い物をする、というような生活。
レッスンも厳しくて、辛かったな・・。
セルメット氏は以前HNKで「トルコ情熱の巨匠」と紹介されていましたが、正しくその通り。近づきすぎると火傷しそうなくらい、熱く厳しい先生でした。
先生が教えて下さることがなかなかできなくて、先生にはしょっちゅう、「なんでわからないんだ!!」「なんでできないんだ!!」と地団太を踏んで叱られました。
「みみ~~!!(耳)」と言って、よく耳も引っ張られました(笑)。
でも私はフセイン氏のもとで、「自分の演奏を客観的に聴く」という耳の使い方があるのだということを、初めて教えてもらったように思います。
「本当によく聴く」ということがいかに難しいか、それには並々ならぬ訓練がいるのだということも、身をもって知りました。
そして、それまで全く知らなかった緻密なペダリングの方法や、棒弾きにならないための自由な音楽の揺れ、聴いたこともないような音色の変化も、徹底的に教えてもらいました。
厳しくつらい時間でもありましたが、本物に間近に触れ、心を鷲掴みにされるようなピアノを聴き、ものすごい世界の淵を、垣間見られた尊い時間でした。
コンサートが今からとても楽しみです!
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