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役に立つかどうか


テレビをつけたらたまたまノーベル賞受賞者の山中教授が出ており、

「科学は真実を追求するもの。役に立つかどうかはあくまで2次的なもの」

というようなことをお話されていました。

それを聞いて、これはピアノも同じだなぁ・・・と思いました。

ピアノは役に立つかどうかなんてわかりませんし、1年や2年ですぐに結果が目に見えてくるものでもありません。

でも、紆余曲折を経た長い長い時間のあと、音楽の真実、あまりにも美しいその世界を垣間見ることができたときには、魂が震えるような喜びがあります。

「役に立つかどうか」

を優先して物事を考えるとき、「役に立たないかもしれないもの」は切り捨てられてしまうでしょう。

それは多様性を認めず、弱いものを切り捨てる息苦しい社会に繋がってしまうように思います。

今の時代はスピードの速い時代。

効率的でないもの、時間のかかるものよりも、すぐに目に見えて結果が出るもの、すぐに経済的に役に立つものが大事にされる気がします。

余裕のなさかもしれません。

でも本当は、すぐに役に立たないかもしれないものをど~んと見守ることのできる懐の深さを持った、伸びやかで豊かな社会であって欲しいな、と願います。


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